メモリ増設

2010年12月 4日 (土)

ThinkPad X61延命策のまとめと、費用対効果

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ThinkPad X61の延命策のまとめ

 

これまで紹介してきたThinkPad X61の延命策をまとめると、以下のようになります。

 

1. メモリ8GB の実装

 

2. SATA-II 3G bps化

 

3. 128GB SSD (Crucial CTFDDAC128MAG-1G1) の搭載

   

4. Windows 7 Professional 64 DSP版 のインストール

   

上記のリンクをクリックすると、それぞれの詳細を記述したBlog記事を参照することができます。

   

ThinkPad X61の延命策をとるか、ThinkPad X201sを新規に購入するか?

   

上記の延命策のために必要なパーツをすべて購入しても、費用は50,000~65,000円程度(2010年12月現在)です。

   

   

また、先の”ThinkPad X61の延命策のまとめ”で紹介した1.~3.の作業は、それぞれ30分程度。4.の作業は、半日から1日程度必要になるかと思います。トータルで1日潰れたとして、ご自身の時給 (ここでは、2,000円/1時間で、1日を8時間としましょう)から、作業費用を16,000円と試算できます。先ほどのパーツ費用65,000円と作業費用16,000円で、ThinkPad X61の延命策にかかる費用は81,000円です。一方、以下のスペックで最新のThinkPad X201s (i7-620LM) の価格(Lenovo直販サイトで2010年12月4日に見積もりしました)は、262,185円です。

   
        
  • CPU: Intel® CoreTM i7-620LM 2GHz
  •       
  • OS: Windows 7 Professional 64正規版
  •       
  • メモリー: 8GB
  •       
  • ポインティング・デバイス: TrackPointのみ + 指紋センサー
  •       
  • 記憶メディア: 128GB SSD
  •       
  • Bluetooth: 内臓Bluetooth
  •       
  • ワイヤレスLANアダプター: Intel® Centrino Advanced-N + WiMAX 6250
  •    
   

スペック上は圧倒的に最新のThinkPad X201s (i7-620LM) の方が高いのですが、ビジネス用途で利用する上では体感上の速度差はそれほど大きくありません。実際にWindows 7に標準のベンチマーク テストである ”Windows エクスペリエンス インデックス”の値を計測してみると、以下の表のようになります。こちらからわかるように、体感に最も影響のある”グラフィックス”と”プライマリ ハードディスク”のパフォーマンスが最新機種であるThinkPad X201s (i7-620LM) を凌駕しています。

   
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              
コンポーネント X61 X201s
プロセッサ 5.1 6.4
メモリ 5.1 6.4
グラフィックス 3.5 3.3
ゲーム用               
グラフィックス
3.1 5
プライマリ               
ハードディスク
7.6 7.5
   
   

ちなみに、”プライマリ ハードディスク”は、X61もX201s も同じ最新のSSD “Crucial CTFDDAC128MAG-1G1“を搭載して “Windows エクスペリエンス インデックス”を計測しました。以上の情報を元に、ThinkPad X201s (i7-620LM) を新規に購入するのか、それともThinkPad X61を延命するのかは、皆さんの判断次第です。

   

X61へ、Intel® Centrino Advanced-N + WiMAX 6250を搭載する方法が紹介されているサイト

   

私自身は試していませんが、以下のサイトに、ThinkPad X61へIntel® Centrino Advanced-N + WiMAX 6250を搭載する方法が紹介されています。

   
    

Thinkpad X61にAdvanced-N + WiMAX 6250は搭載できるのか(実装編)

   
   

Intel® Centrino Advanced-N + WiMAX 6250は、通常は流通していないので、Yahoo! オークションなどで入手するしかありません。私も先月からUQ WiMAXへ加入して利用していますが、WiMAXは結構いいですね。

   

ここで紹介した延命策と合わせて、WiMAXまで搭載すれば、最新機種の高いスペックのPCとほとんど遜色のない環境を低価格で手に入れることができますよ。

2010年11月15日 (月)

2世代前のThinkPad X61へ、Windows 7 Professional 64bitをインストールしてみました。

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以前、ThinkPad X61 / T61と、ThinkPad X200で、8GBメモリが利用できることを紹介しました。

 

2世代前のThinkPad X61 / T61へ8GBメモリを実装して、快適な64bit環境を!

 

メモリを8GB実装すると、8GBメモリをフルに使える64bit OSが欲しくなるのは当然です。国内だけで販売されているPCと異なり、全世界である程度の数量販売されているPCの場合、古い機種に対しても最新OSのドライバが提供されており、知識さえあれば古い機種を最新OSを搭載したマシンに甦らせることができます。

 

知識があれば、ということで、知識のない方は、最新OSのためにPCを買い替えられる場合があるかもしれません。

 

知識がなくても、ThinkVantage System Updateで楽々アップグレードのはずが・・・

 

ThinkPadの場合、知識がなくても、Lenovo社が提供するThinkVantage System Updateというツールを利用すれば、Lenovo特有の機能を生かしながらWindows 7 64bit版をインストールすることができます。64bit版OSの場合、既存の32bit OS (Windows XPやVista)からアップグレードはできず、常に新規インストールとなりますのでご注意ください。ちなみに、このThinkVantage System Updateの利用方法については、以前に紹介しました。

 

ThinkPadは、ThinkVantage System Updateで、Windows 7へ楽々Upgrade

 

以前、簡単に利用できるということをお話ししたのですが、ThinkVantage System Updateでは、必ずしもすべてのモジュールが追加されるわけではないようです。

 

“ダウンロード・ファイル”で、”Windows 7”が選択できない!

 

ThinkVantage System Updateで不足するモジュールは、手作業で追加すればよいのですが、Lenovo Japanのサイト (http://www.lenovo.com/jp/ )では、ThinkPad X61用のWindows 7向け追加モジュールのダウンロードができません。(ダウンロードサイトの”オペレーティング・システム”の選択しが、”Windows XP”、”Windows 2000”、”Windows Vista”の3つしかなく、図の通り、目的の”Windows 7”がない。)

 

JX61Downloads

 

ということで、諦めかけていたのですが、米国のLenovo社のサイトでは、ThinkPad X61用のWindows 7向けモジュールが提供されていました。

 

USX61Downloads

 

しかも、米国のLenovo社からダウンロードできるモジュールは、多言語対応されているため、ダウンロードサイトが英語であることさえ我慢すれば、インストール後はほぼすべて日本語表示されます。これだけモジュールが揃っているのであれば、Lenovo Japanのサイトからもモジュールを提供すればよいのにと思うのですが、残念です。私も長くIT業界にかかわっているので、理由は分からないでもありません。日本人は高い品質を求めるため、無償ダウンロードでモジュールを提供してしまうと、それに対するサポートコストがかかってしまうことが最大の要因でしょう。”ベストエフォート”という言葉がもっと一般化しないとダメでしょうねぇ。。。

 

必要なモジュールを米国Lenovoのサイトからダウンロードしてインストール!

 

ThinkVantage System Updateを利用してモジュールをインストールしてしまうと、何がインストールされて、何がインストールされていないのかよくわかりません。そこで、意を決してすべて手作業でインストールすることにしました。まずは、Windows 7 Professional 64bit版をインストール (方法は、こちらでは省略します)します。そして、米国Lenovoのサイトから必要なモジュールを選択してダウンロードします。実際に、米国Lenovoのサイトからダウンロードしたモジュールは以下の表の通りです。表には、それぞれのモジュールのコメントを付けておきました。ThinkPad X61のハードウェア構成によっては、不要なモジュールもあるかもしれませんので、コメントを参考にしていただければと思います。

 

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  
名称 コメント
ThinkVantage Tools (ThinkPad Device Experience) スタートメニューに、Lenovo ThinkVantage Toolsを追加し、ThinkVantage Toolsを一元的に起動できる(ファイル名:dsltttp30.exe)
ThinkVantage Active Protection System ハードディスク・ドライブのための調整可能なクッションのような役割を果たします。(ファイル名:6isk05ww.exe)
ThinkVantage Access Connections ワイヤレス・ネットワークへの接続とその管理ができます。(ファイル名:85c728ww.exe)
ThinkVantage System Update 最新のソフトウェアおよびドライバーの更新をチェックします。(ファイル名: systemupdate40-2009-10-19.exe)
ThinkVantage Toolbox システム・ヘルスをトラッキングし、ユーザーに通知します。システムの健康状態を定期的にチェックしてくれます。 (ファイル名: lttsetup_60569208x64.exe)
ThinkVantage Fingerprint Software セキュリティや利便性を高めることができます。指紋センサーとWindowsログオンパスワードを関連付けます。(ファイル名: fprx64_593_6581ww.msi)
ThinkVantage Power Manager 電力消費を最適化できます。X61の電源管理を正しく行うために必要。ただし、純正品でない互換バッテリーを利用している場合、警告が表示されて鬱陶しい思いをします。(ファイル名: 81u417ww.exe)
ThinkVantage Rescue and Recovery ローカルまたは外部ストレージ・デバイス上のすべての設定とデータをバックアップできます。(ファイル名: tvtvrnr431_007jp.exe)
ThinkVantage Client Security Solution - Password Manager ご使用のシステムのセキュリティ―を便利で高度な方法で保護します。異なるシステムのパスワードを一元的に保存します。(ファイル名: z909zis1032us00.exe)
Firefox 3.6 Patch (Password Manager Patch) FirefoxとClient Security Solutionを併用しない場合は不要 (ファイル名: ff36patch.exe)
Patch to fix compatibility issue between Client Security Solution 8.3 and Microsoft Office 2007 Office 2007とClient Security Solutionを同時にインストールしない場合は不要 (ファイル名: tvtcss83patch_office2007_64.exe)
Patch to fix crash issue that is caused by Password Manager Plug-in in Internet Explorer IEとClient Security Solutionを併用しない場合は不要 (ファイル名: css83_ie_crash_32_64_v1_2.exe)
Enabling Wake on LAN from Standby for ENERGY STAR WOL (Wake on LAN)の設定を変更するためのもの。必須ではない。 (ファイル名: osfj07ww.exe)
Hotkey Features Integration ファンクションキーを使って、休止状態や、ワイヤレスLANのオン/オフなどを行うために必要 (ファイル名: 81vu22ww.exe)
Hotkey Features patch 上記のモジュールの不具合を修正するためのモジュール (ファイル名: 00vu01ww.exe)
Intel Chipset Support PCの基本機能を正常に動作させるために必要 (ファイル名: oss911ww.exe)
Intel GM965 Display Driver グラフィックドライバと、それに付随するツールが追加される (ファイル名: 7ld803ww.exe)
Intel Matrix Storage Manager driver HDDを制御するためのドライバ。手作業でデバイス マネージャーからインストールする。また、BIOS設定の[Config]-[Serial ATA (SATA)]-[SATA Controller Mode Option:]は、”Compatibility”ではなく、”AHCI”にしておく必要がある。 (ファイル名: 6iio10ww.exe)
Intel Wireless LAN (11bgn) Wireless LANが搭載されていないPCでは不要 (ファイル名: 6mws20ww.exe)
Intel AMT 2.6 - Local Manageability Service and Serial Over  Intel AMTが搭載されていない(有効になっていない)PCでは不要。Intel AMTを有効にする場合は、BIOS設定の[Config]-[Intel(R) AMT]-[Intel(R) AMT Control]を”Enable”にする。企業ユーザー以外は、通常不要な機能。 (ファイル名: 7tr204ww.exe)
Bluetooth with Enhanced Data Rate Software II BlueToothが搭載されていないPCでは不要 (ファイル名: 7zbv18ww.exe)
ThinkPad Monitor File モニタの種類を正しく表示するために必要。手作業でデバイス マネージャーからインストールする (ファイル名: 79oi22ww.exe)
ThinkPad Power Management Driver X61の電源管理を正しく行うために必要 (ファイル名: 6iku08ww.exe)
ThinkPad Audio Features XII (SoundMax Audio Software) X61のサウンド機能を正しく動作させるために必要 (ファイル名: 7ka403ww.exe)
ThinkPad TrackPoint Driver ThinkPadのトラックポイントの3つボタンを生かす場合は必要 (ファイル名: 7bg683ww.exe)
Registry Patch to arrange icons in Device and Printers folders [デバイスとプリンタ]の表示を、ThinkPadに合わせて格好よく変更してくれます。 (ファイル名: osfr02ww.exe)
Update Modole KB976755 Windows 7 OSの更新プログラムです。(ファイル名: os7001wj_64.exe)
Update Module KB958685 Windows 7 OSの更新プログラムです。(ファイル名: os7005ww_64.exe)
Update Module KB978258 Windows 7 OSの更新プログラムです。(ファイル名: os7006ww_64.exe)
Update Module KB979155 Windows 7 OSの更新プログラムです。(ファイル名: os7008ww_64.exe)
Update Module KB981112 Windows 7 OSの更新プログラムです。(ファイル名: os7011ww_64.exe)
Update Module KB981351 Windows 7 OSの更新プログラムです。(ファイル名: os7012ww_64.exe)
Visual C++ 2005 SP再配布可能パッケージ Rescue and Recovery 4.3.1のインストールのために必要。Microsoft社のダウンロードサイトから入手。(ファイル名: vcredist_x64.exe)          
      
 

これだけのモジュールをWebサイトからダウンロードするだけで1時間程度の時間は必要です。また、インストール作業は更に1時間程度必要です。

 

これで、最新のThinkPad Xシリーズと同等だっ!?

 

Windows 7 Professional 64bit版の単純なインストールで1時間、米国Lenovoのサイトから必要なモジュールのダウンロード作業で1時間、ダウンロードしたモジュールのインストールで1時間、ということで、トータル3時間程度の時間が必要となります。何らかの手戻りがあると、更に時間がかかります。これだけの時間と労力をかけたメリットはあり、最新のThinkPad Xシリーズで利用できるLenovo ThinkVantageツール群がそのまま利用できます。

 

ThinkVantageTools[スタート]メニューの[すべてのプログラム]-[Lenovo ThinkVantage Tools]を選択すると、右図の画面が立ち上がってきます。ここから、必要なツールを起動することができます。苦労してインストール作業を行ったのですから、まずは、[拡張されたバックアップと復元]を選択して”Lenovo ThinkVantage Rescue and Recovery”を起動して、OSのバックアップを取っておくことをお勧めします。

 

Lenovo ThinkVantageツール群だけでなく、[Fn] (ファンクションキー)を押しながら、[F5]キーを押せば、ワイヤレスLANとBlueToothのOn/Offができますし、[Fn]+[F4]キーを押せば”スリープ”状態へ移行します。すべての機能がWindows XPとは比較にならないほど安定して動作します。

 

次は、Windows Updateを行いましょう

 

これで終わりではありません。Lenovo ThinkPadのハードウェア機能が有効になったところで、Windows 7 Professional 64bit版に必要なソフトウェアを追加します。まずは、Windows Updateです。今回(2010年11月14日)、Windows Updateを行って驚いたのですが、50を超える更新プログラムをインストールする必要がありました。このWindows Update作業だけで、更に1時間程度の時間が必要となってしまいます。しかしながら、OSを安全に、安定して利用するためには絶対に行わなければならない作業です。

 

念のためですが、[スタート]-[すべてのプログラム]-[Windows Update]を選択するだけで、Windows Updateを行うことができます。もちろん、ネットワーク ケーブルを接続し、インターネットへの接続ができている状態で実行してください。

 

64bitに対応した無償のアンチ ウィルス ソフトウェアもインストールしましょう

 

まだ必要な作業があります。それは、アンチ ウィルス ソフトウェアです。OSが64bitになったのですから、これまでの32bit用のアンチ ウィルス ソフトウェアは利用できません。Windows 7 64bit用のアンチ ウィルス ソフトウェアを別途購入しなければならないかというと、そういうわけではありません。現在は、Windows 7を提供しているMicrosoft社が無償のアンチ ウィルス ソフトウェア “Microsoft Security Essentials”を提供しているので、それを利用すれば有償のアンチ ウィルス ソフトウェアを購入する必要がありません。TV で盛んにアンチ ウィルス ソフトウェアのCMが流れていますが、OSメーカー純正の無償ソフトに対する危機感の表れのように思います。以前、以下のBlogでも紹介しました。

 

いつまでも、アンチ ウィルス ソフトにお金を払う必要はありませんよ!

 

Microsoft Security Essentialsは、個人、もしくはPC10台以下のスモール ビジネスで無償利用が可能です。詳しくは、”MICROSOFTソフトウェア ライセンス条項 MICROSOFT SECURITY ESSENTIALS 1.0”をご参照ください。Blogを見て、自分でOSをアップグレードしようという方は、個人ユーザーがほとんどでしょうから、問題はないと思います。

 

Adobe社のモジュールも必須ですし、64bit OSならではの注意が必要です

 

次は、Adobe Acrobat Readerと、Adobe Flashです。これがないと正しく表示されないWebサイトや、カタログなどのPDF文書が見れないことがあります。これらは、アドビ社のWebサイト http://www.adobe.com/jp/ からダウンロードできます。

 

それから、64bit OSで忘れてはならないのが、Adobe PDF iFilter 9 for 64-bit platforms です。Windows Vista以降、PC内の文書を全文検索できるようになっています。ただし、ファイル内の文書を平文にするためのモジュール (これをiFilterと呼びます)が必要になります。32bit OSの場合、Adobe Acrobat Readerをインストールした際に、32bit OS用のPDF文書のiFilterが提供されるのですが、64bit OS用のiFilterが提供されません。つまり、64bit OSの場合は、何もしなければ全文検索の際にPDF文書が検索対象となりません。PDF文書が検索できないと、Windows 7へ移行した大きなメリットの一つが利用できないことになってしまいます。

 

ということで、64bit OS用のAdobe PDF iFilter 9 for 64-bit platforms をダウンロードしてインストールする必要があります。ちょっと面倒ですが、必ずインストールしておきましょう。

 

ThinkPad X61は、まだまだ使えます!

 

現在、1024x768の画面のThinkPadは販売されていません。無駄に字の小さい最近のPCより、ThinkPad X61の方が目に優しいですし、通常業務で利用する上ではパフォーマンスも悪いわけではありません。ちなみに、Windows 7 Professional 64bit版をインストールしたThinkPad X61、X200、X201sの”パフォーマンスの評価”の画面を取っておきました。(X200と、X201sに遅いHDDを搭載していたため、”プライマリハードディスク”の値は無視してください。)

 

(X61の評価)

 

X61の評価

 

(X200の評価)

 

X200の評価

 

(X201sの評価)

 

X201sの評価

 

個人的には、無駄なアプリケーションがゴテゴテと入ったメーカー製PCよりも、使い慣れたキーボードとトラックポイントとディスプレイで、シンプルなソフトウェア構成の安定したWindows 7搭載ThinkPad X61はお勧めです。

 

最もお勧めは、7,200rpmの高速なHDD(もしくはSSD)と、Windows 7 Professional 64bit DSP版を別途購入し、ThinkPad X61のHDDを交換してしまう方法です。こうすれば、今使っているHDDのデータはそのままですので、もし何かあってもすぐに元に戻すことができます。ThinkPad X61のHDDは簡単に交換できます。また、高速なHDDに交換すれば、使用感が大きく向上しますよ。ちなみに、Amazonで、2.5インチ320GB 7200rpm HDDと、Windows 7 Professional 64bit DSP版の価格は、こんな感じです。

 

2010年6月 5日 (土)

一世代前のMini-ITX マザーボード Intel DQ45EKで8GBメモリを使ってみました。

最初にも紹介したように、お客様先へ持ち運べるようなおPCで、Hyper-Vが快適に動作する環境を求めています。ノートPCで実現できればよいのですが、やはりデスクトップPCでなければ実現できないことも少なくありませんし、同じスペックであれば、ノートPCよりもデスクトップPCの方が安価に調達できます。ということで、一世代前のMini-ITXマザーボード (Atomではなく、まともに使えるLG775のもの)を利用して大容量メモリを使ってみました。最近のMini-ITXマザーボードは、8GBメモリが実装できるとカタログスペックに明記されていることも少なくありません。しかし、私の所有するIntel DQ45EKのカタログスペックでは、メモリの最大容量が4GBとなっています。

 

 これまでお話ししてきたとおり、Intel 965以降のチップセットであれば、8GBのメモリを利用できる可能性があります。Intel DQ45EKのチップセットは、Intel Q45 Expressですので、8GBメモリを利用できる可能性があります。ということで、実際にDIMM DDR2 PC2-6400 SDRAM 4GBのメモリを2枚搭載すると、あっさり8GBのメモリが利用できました。いつものように、DQ45EKで使えそうなノーブランドメモリを以下に記載しておきます。(Amazon.co.jp で商品を見つけられなかったので、価格.comのリンクを記載しておきます)

 ところで、Intel DQ45EKは、他のマザーボードと比較して高価ですが、これはIntel AMT 5.0 Professionalや、Trusted Platform Moduleなど、周辺機能が充実しているためです。Intel DQ45EKはとても素直なマザーボードで、ドライバもIntel のWebサイトから最新版が利用できますし、Windows Server 2008 R2 + Hyper-Vを利用していて全く問題なく、安心して使えます。

 それから、Mini-ITXマザーボードの利用は、ノートPCAOpen XC miniシリーズでは実現が難しい、NIC2枚利用が可能です。これは、Hyper-V 2.0Live Migrationを実現する際には必要となる要件です。また、仮想マシンのパフォーマンスに大きく影響する物理ディスクを多く接続できる (SATA×6、内1つはeSATA)メリットもあります。実際、パフォーマンスが要求され、かつ比較的負荷の高いデモを効果的に行う必要がある場合には、Mini-ITXマザーボードを利用したPCをお客様先やセミナー会場に持ち込んで利用しています。ちなみに、このDQ45EKPCを検証環境として、以下の書籍を執筆しました。

 

以上、乱文ですが、Intel DQ45EK8GBメモリを利用できることの報告でした。そのうち、Intel DQ45EKの構成などもこちらのBlogで紹介したいと思います。

2010年6月 4日 (金)

DELLの名機、Latitude E4300で8GBメモリを使ってみました。

 前回までに、ThinkPad X61 / T61, ThinkPad X200 / T400, AOpen XC mini (MP965-D / MP45-D / GP7A-HD)へ、8GBメモリを実装した結果についてお知らせしました。これ以外に個人的に利用しているのは、DELL Latitude E4300です。(ちなみに、Latitude E4300は、1世代前のPCになり、現行バージョンの製品はLatitude E4310となります。)

 Latitude E4300は、Intel GS45チップセットで、こちらも問題なく8GBのメモリを実装できます。こちらは、Lenovo ThinkPadの旧世代PCと異なり、カタログスペック上でも、メモリの最大容量が8GBと記載されていますので、利用できて当然ですね。

 あと、こちらでお知らせしたかったのは、Latitude E4300で利用できる国内で有名なサードパーティ製メモリと、ノーブランド製品へのリンクです。こちらは、ThinkPad X200 / T400や、AOpen GP7A-HDと同じ、SODIMM DDR3 PC3-8500 4GBメモリを2枚使うことになります。

  • サードパーティ製メモリの一例


     
  • ノーブランドメモリの一例

 言うまでもありませんが、8GBのメモリを利用するためには、64 bit版のOSが必要になります。私は、DELL Latitude E4300にメモリを8GB実装して、Windows 7 x64版とWindows Virtual PC (XP Mode)で日常の業務を行っています。ちなみに、このBlogLatitude E4300で書いています。また、必要に応じてWindows Server 2008 R2 + Hyper-V 2.0を起動させ(デュアルブートにしています)、お客様先でデモを行ったりしています。

 私のような使い方以外でも、今月出荷されたOffice 201064 bitや、画像・映像の編集などでも64 bit版の効果を実感できると思います。

    

 Latitude E4300が出荷された当時は、Windows VistaがプリインストールされていたOSでした。個人的には、8GBメモリを実装すると同時に、Windows 764 bit版へ移行されることをお勧めします。また、そのうち、こちらのBlogDELL Latitude E4300Windows 7をインストールする手順を紹介したいと思っています。

2010年6月 3日 (木)

AOpen社製ベアボーン XC mini シリーズ (MP965-D / MP45-D / GP7A-HD)へ8GB メモリを実装して、快適な64 bit 環境を実現したかったのだけれど・・・

前々のThinkPad X61 / T61のThinkPad X200 / T400に続き、今回はAOpen社製ベアボーン XC miniシリーズ (MP965-D / MP45-D / GP7A-HD)8GBメモリを実装する実験をしてみました。XC miniシリーズは、小型でデザインもよく、液晶やキーボードがない分、ノートPCよりも安価にハイスペックなPCを構成できるので、とても気に入っています。この3機種は、いずれもカタログスペック上のメモリ最大搭載量は4GBです。

 

これまで紹介してきたとおり、チップセットがIntel 965以降であれば8GBのメモリを利用できる可能性があります。MP965-DIntel GM965MP45-DIntel GM45を搭載していますので、条件からいけばこの2機種は8GBのメモリが利用できそうです。唯一GP7A-HDだけは、NVIDIA ION MCP7A-LPを搭載しており、8GBのメモリが利用できるかどうかは未知数です。GP7A-HD以外は、これまで紹介してきた8GBメモリが利用できる条件をクリアしています。しかし結果は、GP7A-HD以外は8GBメモリが利用できませんでした。

では、MP965-DMP45-Dの具体的な症状をお知らせします。まず、MP965-Dでは8GBのメモリを実装するとBIOS画面さえ起動しませんでした。ちなみに、MP965-Dの初期バージョンのBIOSではメモリ4GBも認識できず、3GB前後しか利用できませんでした。このような症状でお悩みの場合は、BIOS新バージョンへアップグレードしてください。

さて話がそれましたが、続いてMP45-Dの症状です。こちらは8GBメモリを実装しても64 bit OSの起動まではできるのですが、なぜかメモリを4GBまでしか使えず、OSからは以下のような見え方をします。

 8gb

BIOSのバージョンアップでもしかして解決するのではないかとおもい、最新版のBIOSにアップデートしてみましたが、結果は同じでした。

最後に、唯一8GBのメモリを利用できたのは、最も期待していなかったGP7A-HDでした。こちらは、何の問題もなくあっさりと8GBメモリを認識、利用できました。

GP7A-HDで、スペック上利用できそうな国内有名サードベンダー製メモリは、以下の製品になります。

 

また、スペック上利用できそうなノーブランドメモリは、以下の製品になります。

いずれも、すべての使用条件での動作を私が保証できるものではありませんが、少なくとも私の環境では、これらのメモリが動作しています。

最後になりますが、8GBのメモリを使うためには、64 bit OSが必要になります。私はWindows Server 2008 R28GBのメモリを実装したGP7A-HDを利用しています。仮想環境を利用する場合だけでなく、8GBメモリは画像処理で効果を発揮しますし、今月出荷されたOffice 201064 bit版でもパフォーマンス向上の効果が期待できます。

 

GP7A-HDをベースに、ハイスペックで、お洒落な小型PCを作ってみるのはいかがでしょうか?

以上、今回は、Intel 965や、Intel 45チップセットを搭載しているPCでも、8GBメモリが利用できないケースがあるという報告でした。次回は、DELL Latitude E43008GBメモリを実装します。といっても、E4300はカタログスペック上、メモリの最大搭載量が8GBですので実験するまでもないのですが。。。

2010年6月 2日 (水)

1世代前のThinkPad X200 / T400へ8GB メモリを実装して、快適な64 bit 環境を!

前回のThinkPad X61 / T61に続き、今回は、ThinkPad X200 / T4008GBメモリを実装してみましょう。カタログスペックでは、ThinkPad X200 / T400の最大メモリ搭載量は4GBとなっています。しかし、前回のThinkPad X61 / T61の際にも紹介したように、チップセットがIntel 965以降であれば8GBのメモリが実装できる可能性があります。ThinkPad X200 / T400のチップセットは、Intel GM45で、Intel 965系のチップセットの後継となっているので、8GBのメモリが実装できる可能性があります。

ということで、実際に、私はThinkPad X200 / T400 のメモリを8GBにして、Windows Virtual PCHyper-Vを動かしています。ちなみに、スペック上、ThinkPad X200 / T400で利用できる、国内有名サードパーティ製品には、以下のものがあります。

 

上記のメモリを利用すれば、ThinkPad X200 / T400のすべての環境で8GB利用できることを、私が保証できるものではありませんが、少なくともスペック上は問題なく利用できるはずです。これらの製品を購入して試してみるというにはあまりに高価です。

私は、価格を抑えながら8GBのメモリを実装するために、国内有名サードパーティ製品ではなく、ノーブランドメモリを利用しています。ノーブランドメモリの課題は、永久保証がなかったり、各機種への対応表などがないといったデメリットがあります。しかし、元々、8GBのメモリの利用は保証の対象外ですし、メモリは簡単に故障しないので、ノーブランド メモリを利用することのデメリットはほとんどないのではないかと思います。

個人的に確認したわけではありませんが、以下のメモリがスペック上、ThinkPad X200 / T400で利用できるはずです。繰り返しですが、私がすべての環境で稼働を保証できるわけではありませんが、少なくとも私の環境では、これらのメモリが動作しています。

 

上記ノーブランドメモリが問題なく稼働すれば、有名サードパーティ製品と比較して60%程度の価格で快適な8GB環境を手に入れることができます。

最後になりますが、8GBのメモリを使うためには、64 bit OSが必要になります。私はWindows 7 EnterpriseWindows Server 2008 R28GBのメモリを実装したThinkPad X200を利用しています。仮想環境を利用する場合だけでなく、8GBメモリは画像処理で効果を発揮しますし、今月出荷されるOffice 201064 bit版でも効果が期待できます。

  

安易にネットPCに流れずに、今手元にある使い慣れたPCを拡張して延命されてはいかがでしょうか?

次回は、AOpen社のベアボーンXC miniシリーズで、8GBメモリの実装にチャレンジします。XC miniシリーズでは、大変残念な結果が出てしまいましたが、失敗も貴重な情報ですのでお知らせしたいと思います。

2010年6月 1日 (火)

2世代前のThinkPad X61 / T61へ8GB メモリを実装して、快適な64 bit 環境を!

Blogの更新をほぼ半年間行っていませんでしたが、また、これから少しずつ更新していきたいと思っています。

さて、様々な製品を評価したり、お客様に訴求したりする仕事のため、仮想マシンを利用して作業を行うことが多くなりました。仮想マシンを快適に利用するためには、マルチコアのCPU、多くのメモリ、そして複数台の物理ハードディスクが必要です。

お客様先でのデモを効果的に行うために、お客様先へ持ち運べるサイズの小型PCに、多くのメモリと、多数の物理ハードディスクの実装を日夜試みています。ということで、これからしばらくは、メモリを多く実装できる、できるだけ小さなPCと、できるだけ小さな外付けハードディスクについて、連続で記載していきたいと思います。

まずは、8GBのメモリ実装についてのテスト結果を記載していきます。最初はThinkPad X61 / T61です。

最新のノートPCでは、カタログスペックでもメモリの最大容量が8GBになっていますが、古いノートPCでは、ほとんどの機種がメモリの最大容量は4GBです。しかし、インテルのIntel 965チップセット以降のPCは、メモリを8GB実装できる可能性があります。実際に、私はThinkPad X61 / T61 のメモリを8GBにして、Windows Virtual PCHyper-Vを動かしています。これらの機種のカタログスペックは4GBと記載されていますが、8GBのメモリを問題なく利用することができます。おそらく、製品出荷当時SODIMM DDR2 PC-5300 4GBのメモリが存在しなかったために、8GBのメモリの実装の可否が記載されなかったと予想できます。ちなみに、ThinkPad X61 / T61のチップセットはIntel GM965 Expressです。

では、気楽に8GBのメモリを搭載できるかというとそうでもありません。理由は価格です。4GB (2GB×2)のメモリは1万円前後で購入できますが、8GB (4GB×2)のメモリは5万円から6万円程度の価格となってしまいます。以下に、国内有名サードパーティ製品へのリンクです。

 

 

 ThinkPad X61 / T61用のメモリのスペックはSODIMM DDR2 PC2-5300ですが、上記のPC2-6400のメモリでも利用が可能です。すべての環境で8GB利用できることも、PC2-6400のメモリが利用できるということも、私が保証できるものではありませんが、少なくとも私の環境では問題なく利用できています。

 さて、価格を抑えながら8GBのメモリを実装するための選択肢はないでしょうか?実際には良い選択肢があります。それは、有名なサードパーティ製品を選択せずにノーブランドメモリを利用することです。ノーブランドメモリの課題は、永久保証がなかったり、各機種への対応表などがないといったところです。しかし、元々、8GBのメモリの利用は保証の対象外ですし、メモリは初期不良以外そうは故障しないので、ノーブランド メモリを利用することのデメリットはないのではないかと思います。

個人的に確認したわけではありませんが、以下のメモリがスペック上、ThinkPad X61 / T61で利用できるはずです。繰り返しですが、私が稼働を保証できるわけではありませんが、これは有名サードパーティ製品を利用していても同じことです。

  

上記ノーブランドメモリが問題なく稼働すれば、有名サードパーティ製品と比較して60%程度の価格で快適な8GB環境を手に入れることができます。

最後になりますが、8GBのメモリを使うためには、64 bit OSが必要になります。私はWindows 7 EnterpriseWindows Server 2008 R28GBのメモリを実装したThinkPad X61を利用しています。ちなみに、このThinkPad X61で、以下の書籍も執筆しました。

 

 

仮想環境を利用する場合だけでなく、8GBメモリは画像処理で効果を発揮しますし、今月出荷されるOffice 201064 bit版でも効果が期待できます。

次回は、ThinkPad X200 / T400を8GBにしてみます。といっても、今回と内容が大きくかわるものではありませんが。。。

  

安易にネットPCに流れずに、使い慣れたPCを拡張して延命されてはいかがでしょうか?